近年、共働き世帯が増加の一途を辿る中、子どもの教育における意思決定の実態が明らかになりました。
共働き世帯における教育方針の決定権者、母親主導が過半数を占める
明光義塾による最新の調査によると、教育方針の決定は「母親主導」が51.4%と過半数を占め、「父親主導」は13.9%にとどまることが判明。一方で、「夫婦共同」での決定は33.5%となっています。
これは、働き方の多様化が進む現代社会において、なお教育面での責任が母親に偏重している実態を示唆しています。ただし、73.3%の家庭が「教育について夫婦間で協力できている」と回答しており、実務面での分担とは別に、意識面では協力体制が築かれていることがわかります。
学校行事参加率92.7%の高水準、しかし参加者の7割以上が母親
共働き家庭における学校行事への参加状況も注目に値します。全体の92.7%という高い参加率を示す一方で、その担い手は圧倒的に母親が多く、73.0%を占めています。特筆すべきは、働き方による差異です。
フルタイム共働き世帯では母親の参加率が66.4%であるのに対し、フルタイム&パート世帯では78.1%と、11.7ポイントもの差が見られました。この結果は、働き方の違いが教育参加の形態に大きく影響していることを示しています。
教育費用の実態と経済的負担感:74.2%が負担を実感
教育費用に関する調査結果からは、現代の共働き世帯が直面する経済的課題が浮き彫りになりました。最多の回答は「3万円以上、5万円未満」(23.9%)で、74.2%の家庭が経済的負担を感じると回答しています。
特に注目すべきは、フルタイム&時短勤務の世帯では、実に89.3%が教育費用に負担を感じているという結果です。これはフルタイム&パート世帯の75.1%と比較して、14.2ポイントも高い数値となっています。
学力向上対策:学習塾が最多、デジタル学習も台頭
子どもの学力向上のための対策として、52.5%の家庭が「学習塾」を選択しており、これが最も一般的な対策となっています。次いで「オンライン学習サービス」(17.1%)が続き、デジタル技術を活用した学習支援の普及が進んでいることが分かります。
まとめ
今回の調査結果から、共働き世帯における教育支援の実態として、以下の特徴が明らかになりました:
- 教育方針の決定や実務的な支援において、依然として母親の負担が大きい
- 働き方の違いが、教育参加の形態や負担感に大きく影響している
- 多くの家庭が教育費用に対する経済的負担を感じている
- 学習塾やオンライン学習など、外部リソースの活用が一般的
これらの結果は、現代の共働き世帯が直面する教育課題に対して、より効果的なサポート体制の構築が必要であることを示唆しています。今後は、両親の働き方に関わらず、より均等な教育支援が可能となるような社会システムの整備が求められるでしょう。