2024年 12月 23日 月曜日

ノートvsタブレット:記憶力20%アップの秘密とは?コクヨと立命館大学との共同研究結果

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デジタル化が進む現代の教育現場で、従来の紙のノートとタブレットのどちらが学習効果が高いのか、多くの人が疑問に思っているのではないでしょうか。コクヨ株式会社と立命館大学が共同で行った最新の研究結果が、この疑問に驚くべき答えを提示しています。

紙のノートを使用した学習が、タブレットを使用した場合と比較して約20%高いテスト得点をもたらすことが明らかになりました。この結果は、デジタル教育が推進される中で、従来の学習方法の有効性を再認識させる重要な発見です。

研究の背景と目的

2024年から小学5年生以上の英語授業でデジタル教科書の導入が始まるなど、教育現場でのICT活用が急速に進んでいます。しかし、紙のノートの使用感や効果に関する満足度は依然として高く、その実際の学習効果についての検証が求められていました。

この研究は、筆記による暗記学習において、紙のノートとデジタル端末(タブレット)の効果を比較することを目的として実施されました。評価は、成績評価、主観評価、生理計測評価の3つの観点から行われました。

実験方法と結果

実験は2回に分けて行われ、大学生を対象に、ノートとタブレットを使用した学習効果を比較しました。

  1. 成績評価 暗記テストの結果、ノートを使用した場合の平均得点は9.4点で、タブレットの7.7点を22%上回りました。さらに、2.5ヶ月後の再テストでも、ノートが7.1点、タブレットが5.9点と、20%の差が維持されました。
  2. 主観評価 実験参加者のアンケート結果では、ノートの方が「見返しやすさ」で24%、「覚えやすさ」で28%高く評価されました。参加者からは、ノートの視覚的な一覧性や書く感覚の重要性が指摘されています。
  3. 生理計測評価 脈波の測定結果から、ノートを使用した学習の方がリラックス度が高く、ストレス度が低いことが判明しました。
コクヨ紙のノートとデジタル端末であるタブレットの筆記における記憶効果の比較実験
紙のノートとデジタル端末であるタブレットの筆記における記憶効果の比較実験 出典 コクヨ

研究結果の意義と今後の展望

この研究結果は、デジタル化が進む教育現場において、紙のノートの有効性を科学的に実証した重要な成果です。特に、記憶力向上とストレス軽減という二つの側面で、ノートの優位性が示されたことは注目に値します。

ただし、タブレットにも利点があることも忘れてはいけません。例えば、情報の編集のしやすさや、デジタルならではの機能の活用などが挙げられます。

今後は、この研究結果を踏まえて、紙のノートとデジタル機器のそれぞれの長所を活かした学習方法の開発が期待されます。また、個々の学習者の特性や学習内容に応じて、最適な学習ツールを選択できるようなガイドラインの作成も有効でしょう。

まとめ

デジタル時代においても、紙のノートの有効性が科学的に証明されたことは、教育関係者や学習者にとって大きな意味を持ちます。しかし、これはデジタル機器の使用を否定するものではありません。むしろ、両者の長所を理解し、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。

今回の研究結果を踏まえ、個々の学習者が自分に合った学習方法を選択し、より効果的な学習を実現することが期待されます。また、教育機関や教材開発者は、この知見を活かして、より効果的な学習環境や教材の開発に取り組むことができるでしょう。

デジタルとアナログのバランスを取りながら、最適な学習方法を追求していくことが、これからの教育の課題となるでしょう。

Sourceコクヨ

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