2025年卒業予定の大学生・大学院生の就職活動状況が明らかになりました。株式会社マイナビが実施した「マイナビ 大学生 活動実態調査(10月中旬)」によると、内々定率が90.5%に達し、前年比4.5ポイント増となっています。この結果から、就職市場の回復傾向が顕著に表れていることがわかります。
本記事では、この調査結果を詳しく分析し、2025年卒業予定の学生の就職活動の実態や、彼らの将来に対する意識、さらには2026年卒の就活生へのアドバイスまでをご紹介します。
内定率90.5%の背景と今後の就活動向
2025年卒の学生の内々定率が90.5%に達したことは、就職市場の好調さを示しています。しかし、まだ内定を得ていない学生も存在します。調査によると、未内定者は今後の活動において、企業規模や勤務地といった要件を柔軟に考える傾向があることがわかりました。
一方で、内定をすでに持っている学生の多くは、これまで通りの活動を継続する意向を示しています。これは、より良い条件や自分に合った企業を探し続ける姿勢の表れと言えるでしょう。
就職活動の終盤戦に差し掛かる中、学生たちの戦略は二極化しているようです。未内定者は視野を広げ、内定保有者はさらなる選択肢を模索する傾向が見られます。
内定式の対面回帰と学生の反応
調査結果で特筆すべきは、内定式の形式についてです。66.5%の学生が10月1日に内定式に参加し、そのうち85.1%が直接対面形式で実施されたと回答しています。これは、コロナ禍以降のオンライン開催が落ち着き、対面での交流が重視されるようになったことを示しています。
対面式内定式に参加した学生の感想も興味深いものでした。78.5%の学生が「同期と実際に会えてよかった」と回答し、59.0%が「来年からその会社で働く実感がわいた」と答えています。これらの結果は、対面でのコミュニケーションの重要性と、それが学生の帰属意識や就業への期待感を高める効果があることを示唆しています。
また、内定式参加により「他の内定者と仲良くなれるか」という不安が解消されたという回答が60.1%を占めました。これは、対面での交流が学生の不安解消に大きく寄与していることを表しています。
学生の将来への意識と金銭感覚
興味深いのは、学生たちの社会人としての金銭感覚です。「社会人になって最低限の金額以上に稼ぐ目的」を尋ねたところ、82.6%が「自分の生活を豊かにするため」と回答する一方で、39.9%が「将来の資産を増やすため」、34.4%が「老後のために貯金をしたいから」と答えています。
これらの結果は、現在の生活の質を向上させたいという願望と同時に、将来への不安や備えの意識が学生たちの間に広がっていることを示しています。特に、3人に1人以上の学生が老後や将来の資産形成を意識していることは注目に値します。
この傾向は、別の調査で明らかになった「老後の貯蓄(生活費)が足りない」という不安(39.4%が回答)とも符合しており、若い世代の間で将来への経済的備えの重要性が認識されていることがわかります。
2026年卒の就活生へのアドバイス
2025年卒の学生たちは、自身の経験を踏まえて後輩たちにアドバイスを送っています。多くの学生が「自己分析を早めにやっておけばよかった」と後悔しており、早期からの自己理解の重要性を強調しています。
また、「まずは行動をしてみること」というアドバイスも多く寄せられました。企業へのエントリーや説明会への参加など、興味を元に積極的に動くことの大切さを説いています。
これらのアドバイスは、就職活動において自己理解と積極的な行動が重要であることを示唆しています。2026年卒の学生たちは、これらの先輩たちの経験から多くを学ぶことができるでしょう。
まとめ
2025年卒の大学生・大学院生の就職活動は、高い内定率や対面式内定式の復活など、ポジティブな傾向が見られます。同時に、学生たちの間では将来への経済的備えの意識が高まっており、社会人としての責任感や長期的な視点が育まれていることがわかります。
就職活動は単なる就職先探しではなく、自己理解や将来設計の機会でもあります。2026年卒の学生たちは、先輩たちの経験やアドバイスを参考に、早期から準備を始め、積極的に行動することが成功への近道となるでしょう。
変化の激しい現代社会において、柔軟な姿勢と将来を見据えた準備が、充実したキャリアの第一歩となることを、この調査結果は示唆しています。